会長挨拶

第24回日本リウマチ学会 北海道・東北支部 学術集会
会 長  渥美 達也
(北海道大学大学院医学研究科 免疫・代謝内科学分野 教授)
 第24回日本リウマチ学会(JCR)北海道・東北支部学術集会を担当させていただき、大変光栄に存じております。JCR北海道・東北支部は、一道六県から構成され、北海道での学術集会は東北6県のうちの3県での開催後、すなわち4年に一度、冬期オリンピックが開催される年におこなわれるのが通例です。
 近年のリウマチ学はたいへん急速に進歩しています。北海道で開催された学術集会をふりかえると、生物学的製剤が我が国に登場する前の2002年(ソルトレイクシティオリンピック:第12回学術集会)は、関節リウマチの日常診療での治療目標といえば疼痛対策が最重要でした。2006年(トリノオリンピック:第16回学術集会)のころは、抗TNF療法2剤による治療が一般化し、関節破壊防止が治療目標の第一目標であり、その達成のために日常診療にもDAS28による活動性評価が定着しました。2010年(バンクーバーオリンピック:第20回学術集会)になると、ターゲットがIL6やT細胞と多様化し、治療目標や患者さんのライフスタイルにあわせた幅広い治療の選択が可能となりました。そして、治療目標が寛解であるとの認識のもと、T2Tという概念がひろがります。それに続いて、ソチオリンピックの2014年、新たな作用機序の強力な経口抗リウマチ薬も登場し、治療強化の選択肢が増える一方、EULARのガイドラインから、早期のステロイドや従来型抗リウマチ薬の適切な使用などが見直されています。
 今回の学術集会は、北海道大学医学部創立90周年を記念して建設された「北海道大学フラテホール」を会場に、北海道・東北地域のリウマチ性疾患患者の真の寛解維持と予後改善のために、我々に何ができるか、何をすべきか、議論できる機会となるよう準備をすすめております。11月下旬の札幌は、晩秋あるいは初冬であり、札幌大通り・すすきのではホワイトイルミネーションがはじまり、まちは華やかな装いとなります。広大な北海道大学のキャンパスを舞台に、迫り来る雪の季節を吹き飛ばすような熱いディスカッションが展開されることを願ってやみません。
 多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。